Exhibition
展 示
企画展示
廣池千九郎の恩師
小 川 含 章
期間:令和5年6月3日~令和6年5月末
廣池千九郎は17歳の時に漢学塾「麗澤館」に入塾し、塾長の小川含章から多大な感化を受けました。後に廣池はその遺志を継いで郷里を 旅立ち、学者、教育者として生涯活躍します。
廣池は晩年、当地に道徳科学専攻塾を開設した際に、小川の学恩を 想起し、敷地内の住宅に「麗澤館」と名付けました。現在、「麗澤」は、麗澤各校の学校教育における理念を象徴する言葉として受け継 がれています。
2022年は小川の生誕210年、2024年は没後130年にあたります。 今年度の企画展示はこれを記念して、小川の生涯と業績を顕彰し、 あわせて弟子の廣池へ与えた影響などもご紹介します。
企画展示は、地下展示室の奥の看板が目印です(画像右端)。※階段からは階下して右、エレベーターからは突き当り右。
看板の左に位置する2つの壁面ケースでは、小川直筆の書を展示しています。
さらに進むと小川の写真ならびに略年譜があり、突き当りの壁面ケースより6部構成の展示が始まります。
前半部ではこれまであまり明らかにされていなかった小川の経歴にスポットをあてています。展示資料は図書と書(掛軸)が中心です。図書は小川の師である帆足万里の著書『入学新論』、小川が儒家として記載された『安政文雅人名録』等を展示しています。壁面にある小川直筆の書は4点あり、これらを見比べると、精緻なもの・ダイナミックなものと、筆致のコントラストを感じとっていただけます。ほか、巻子の「霊芝記」は小川の文化人としての一面を知ることができる貴重な資料です。
後半部では、主に小川の大分における教育活動と、小川が廣池に与えた影響について紹介しています。
麗澤館で使用されたテキストや明治初期における小川の写真等、初出展の資料を展示しています。特に、小川直筆の書「麗澤」は本展の見どころの1つです(画像右端)。そのほか、廣池が麗澤館在塾中に書いた漢文「立志説」や晩年に記した「麗澤館の記」、『皇室奉仕の事績』、公宅の表札「麗澤館」等を展示しています。これらは、廣池が小川の精神を受け継ぎ、発展させたことを示す資料です。